第105回 看護師国家試験 午後 問112 解説
📝 問題
次の文を読み112〜114の問いに答えよ。Aさん(19歳、男性、大学生)は、実家近くのアパートに1人で暮らしている。ある日、線路沿いの道を裸足で歩きながら険しい表情でカッターナイフを振り回し、ぶつぶつと独り言を言い続けていたことから警察に保護された。Aさんは、警察から連絡を受けた両親とともに精神科病院を受診したが「自分は命を狙われている」、「この人たちは自分の親じゃない」と言い、医療者に対しても拒否的な態度をとっている。診察の結果、Aさんは統合失調症と診断された。Aさんの頭髪は乱れ、食事や睡眠がとれていない様子であったため、そのまま医療保護入院をすることになった。 入院当日にAさんの両親から情報収集する内容として、優先度が高いのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 入院当日は、両親がAさんの入院をどう受け止めているかを聞くことの優先度が最も高い。
Aさんは警察に保護されたその日に受診し、そのまま医療保護入院となった。両親にとっては、息子の変化を受け止めきれないまま入院に同意した当日である。 医療保護入院は家族等の同意で成り立つため、両親のこの入院に対する受け止め方を確かめることが、入院当日の情報収集では最も優先度が高い。 動揺や自責の気持ちがあれば支え、これからの治療に一緒に取り組める関係をつくる出発点になる。
残る3つは、いま聞く必要が薄い。大学の出席状況は生活の様子を知る手がかりになるが、入院当日に急いで聞くことではない。 両親と同居するかどうかは、退院後の生活を考える段階で扱う。 子ども時代の育て方を尋ねるのは、両親の自責の気持ちを強めるだけになる。統合失調症は育て方で起こる病気ではない。
- 1
Aさんの大学の出席状況不正解
大学の出席状況は、これまでの生活の様子を知る手がかりになる。ただし治療の方針にすぐ影響する情報ではなく、入院当日に急ぐことではない。
- 2
両親がAさんと同居する可能性不正解
同居するかどうかは、退院後の生活を組み立てる段階で相談する内容である。
- 3
Aさんの子ども時代の両親の育て方不正解
統合失調症は育て方が原因で起こる病気ではない。育て方を尋ねると、両親の自責の気持ちを強めてしまう。
- 4
Aさんの入院に対する両親の受け止め方正解
医療保護入院は家族等の同意で成り立つ。両親の受け止め方を知ることが、動揺を支え、治療に一緒に取り組む関係をつくる出発点になる。
📚 国試でよく狙われるところ
精神科の入院形態は、誰の同意で入院するのかを入れ替えて問われる。同意する人と精神保健指定医の人数を対にして覚えよう。
| 入院形態 | 同意する人 | 精神保健指定医の診察 |
|---|---|---|
| 任意入院 | 本人 | 不要 |
| 医療保護入院 | 家族等のうちいずれかの者(家族等がいないときや意思表示をしないときは市町村長) | 1名 |
| 応急入院(72時間以内) | 同意を得られない(急を要するとき) | 1名 |
| 措置入院 | 都道府県知事が決定(自分や他人を傷つけるおそれがあるとき) | 2名以上 |
参考: 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)/系統看護学講座 精神看護学
出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について