第105回 看護師国家試験 午後 問110 解説

状況設定精神看護学✔ 監修済み

📝 問題

次の文を読み109〜111の問いに答えよ。Aさん(23歳、女性)は、未婚で両親と3人で暮らしている。専門学校卒業後に就職し、仕事も順調であった。4か月前、仕事のミスがあったことをきっかけに気分が落ち込み、食欲のない状態が1か月ほど続いたが、通勤は続けていた。Aさんは2か月前から不眠を訴えるようになり、先月からは給料の全額を宝くじの購入に費やしてしまう行為がみられるようになった。Aさんは、心配した両親に付き添われて精神科病院を受診した。 入院後2週が経過した。Aさんの携帯電話は母親が持ち帰っているため、Aさんは職場のことが気になると言って、毎日、病棟内の公衆電話から頻繁に会社の上司に電話をしている。看護師が面接をしたところ、今後への強い焦りの訴えが聞かれた。 Aさんへの対応で最も適切なのはどれか。

✅ 正解

1

💡 解説

✅ 焦りを受け止めたうえで、いまは休養が必要であることをAさんと再確認するのが最も適切である。

入院して2週。Aさんは職場が気になって上司へ頻繁に電話をかけ、今後への強い焦りを訴えている。躁状態の治療では、まず休養をとって刺激を減らすことが土台になる。 焦りをそのまま受け止めながら、いま休むことが回復への近道だと本人と一緒に確かめ直す。看護師が一方的に決めず、Aさんと再確認する形にすることで、納得して休養に向かえる。

残る3つは、Aさんの訴えを扱えていない。考えないように伝えても焦りは消えず、訴えを否定されたと受け取られる。 上司への説明は、本人の同意なく病状を職場へ伝えることになり、守秘義務に反する。 テレホンカードを預かるのは行動制限にあたる対応で、本人との話し合いを飛び越えて先に行うものではない。

  • 1

    休養の必要性をAさんと再確認する。正解

    焦りを受け止めながら、いまは休養の時期であることを本人と確かめ直す。躁状態の回復は、刺激を減らして休むことが土台になる。

  • 2

    仕事のことは考えないように伝える。不正解

    考えないように言われても焦りは消えず、訴えを否定されたと受け取られる。まず気持ちを聴くところから始める。

  • 3

    Aさんの上司にAさんの病状と行動との関連を説明する。不正解

    本人の同意なく職場へ病状を伝えることは守秘義務に反する。職場との連絡は、Aさんの同意を得たうえで進める。

  • 4

    Aさんのテレホンカードをナースステーションで管理する。不正解

    テレホンカードを預かるのは行動を制限する対応にあたる。まずは電話をかけたくなる気持ちを聴き、本人と方法を話し合う。

📚 ここも一緒におさえておこう

躁状態の看護は「どう止めるか」ではなく「どう休ませるか」で問われる。刺激を減らす工夫として覚えよう。

  • 部屋や日課の刺激を減らし、睡眠と休養を確保することを最優先にする
  • 本人の言い分を頭ごなしに否定せず、できないことは理由を添えて短く伝える
  • 浪費や契約など回復後に本人が困る行動は、本人の同意を得て家族と相談し、金銭や携帯電話の管理を一時的に検討する

参考: 系統看護学講座 精神看護学

出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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