第105回 看護師国家試験 午前 問114 解説

状況設定精神看護学✔ 監修済み

📝 問題

次の文を読み112〜114の問いに答えよ。Aさん(42歳、男性)は、全身倦怠感を訴え病院を受診したところ、肝機能障害が認められ内科に入院した。Aさんは大量飲酒を長期間続けており、アルコール依存症が疑われた。内科医からの依頼で精神科医が診察をしたときは、Aさんは意識清明で見当識障害はなかった。妻とは不仲であり、半年前に仕事で大きなトラブルがあったため、朝から飲酒するようになり飲酒量はさらに増えていた。その後、薬物治療によって興奮は改善した。肝機能も改善し、夜間もよく眠れるようになったため、退院が決定した。 Aさんに対する退院時の説明で適切なのはどれか。2つ選べ。

✅ 正解

2・3

💡 解説

✅ 断酒会への参加と集団精神療法を勧めるのが適切である。

アルコール依存症の治療は、入院で酒が抜けたところから始まる。柱は断酒を続けることで、1人で続けるのは難しい。

そこで、同じ経験をもつ人が集まる断酒会などの自助グループと、専門職が進行する集団精神療法を組み合わせ、仲間のなかで回復を続けていく。

残る3つは、断酒から遠ざかる。 週に1日飲まない日をつくるのは節酒であり、仕事を辞めることは生活の支えを失わせる。家族に記録させると監視する側とされる側の関係になり、本人が回復の主体でなくなる。

  • 1

    「仕事は辞めましょう」不正解

    仕事は生活の支えであり、辞めても飲酒のきっかけが減るわけではない。職場のトラブルへの向き合い方を一緒に考えるほうが役に立つ。

  • 2

    「断酒会に参加しましょう」正解

    断酒会は、本人と家族が集まって体験を語り合う自助グループである。仲間のなかで断酒を続けやすくなる。

  • 3

    「集団精神療法を受けましょう」正解

    集団精神療法では、専門職が進行するなかで自分の飲酒を語り、否認や再飲酒の引き金に気づいていく。

  • 4

    「飲酒しない日を週1日設けましょう」不正解

    飲まない日をつくるのは節酒である。アルコール依存症の治療目標は断酒で、少量でも飲めば元の飲み方に戻りやすい。

  • 5

    「生活行動を家族に記録してもらいましょう」不正解

    家族が記録すると監視する側とされる側になり、関係が悪くなる。記録は本人が自分の回復のためにつける。

📚 ここも一緒におさえておこう

アルコール依存症の退院支援は「誰と続けるか」を軸に問われる。断酒は1人では続かないと覚えよう。 断酒会は家族も一緒に参加できる日本の自助グループで、名前を名乗らずに参加するアルコホーリクス・アノニマス〈AA〉とは運営のしかたが違う。 再び飲んでしまったときは責めず、早く治療につなぎ直す。

参考: 厚生労働省 e-ヘルスネット(アルコール)/精神看護学テキスト(アルコール依存症の治療)

出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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