第104回 看護師国家試験 午後 問80 解説
📝 問題
小児医療に関する課題とその対応の組合せで正しいのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 障害児の在宅医療のニーズの増加には、家族が休息をとれるレスパイトケアの充実で応える。
レスパイトケアは、在宅で医療的なケアを担う家族が休息をとるための支援である。 短期入所や日中の預かりを使い、家族が一時的にケアから離れられるようにする。 医療の進歩で在宅で暮らす障害児が増え、家族の負担が長く続くようになったため、この仕組みを整えることが課題になっている。
ほかの組合せは、課題と対応が結びついていない。 低出生体重児にこそ母乳の利点が大きく、育児不安が強い親に必要なのは親自身への相談と支援である。 小児救急の受診が増えている中心は軽症の子どもで、成人した小児慢性疾患の患者には本人が治療を選び決められるようにする支援が要る。
- 1
低出生体重児の増加 ── 人工乳による哺育の推進不正解
低出生体重児では感染を防ぐ成分の多い母乳の利点が大きく、母乳育児の支援が基本になる。人工乳は必要に応じて補う位置づけである。
- 2
育児不安が強い親の増加 ── 子どもの自立支援不正解
育児不安が強い親への対応は、親の話を聴き、相談や親どうしが集まる場につなぐこと。子どもの自立支援は年齢に応じた別の課題である。
- 3
障害児の在宅医療のニーズの増加 ── レスパイトケアの充実正解
在宅で医療的ケアを担う家族が休息をとれるよう、短期入所や日中の預かりを整えることが求められている。
- 4
小児救急医療を受診する子どもの増加 ── ドクターカーの充実不正解
ドクターカーは医師が現場へ出向いて治療しながら運ぶ仕組みで、重症者が対象になる。受診の増加に必要なのは、受診を相談できる窓口と夜間・休日の診療体制である。
- 5
成人になった小児慢性疾患患者の増加 ── 親の意思決定の支援不正解
成人した患者には、親ではなく本人が自分の病気を理解し、治療を選んで決められるようにする支援が必要になる。
📚 ここも一緒におさえておこう
小児医療の課題は、課題と対応をずらして問われる。「誰の困りごとを、どの仕組みが引き受けるのか」で対にして覚えよう。
- 医療的ケア児支援法(2021年施行)で、たんの吸引や経管栄養が必要な子と家族への支援が国と自治体の責務になった。レスパイトもこの中に入る
- 小児救急電話相談(#8000)は、夜間・休日に受診するか迷ったときに看護師などへ相談できる窓口
- 小児期に発症した患者を小児科から成人の診療科へ引き継ぐ移行期医療では、本人が自分の病気と治療を説明できるようになる支援が要る
参考: 小児看護学(家族への看護)の教科書/医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律(厚生労働省)
出典:「第104回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について