第104回 看護師国家試験 午後 問71 解説

一般在宅看護論✔ 監修済み

📝 問題

Aさん(60歳、男性)は、1年前に膵癌と診断されて自宅で療養中である。疼痛管理はレスキューとして追加注入ができるシリンジポンプを使用し、オピオイドを持続的に皮下注射している。 訪問看護師のAさんへの疼痛管理の指導で適切なのはどれか。

✅ 正解

3

💡 解説

✅ 痛みが出はじめたときに、Aさん自身がレスキューのオピオイドを追加注入する。

持続皮下注射のシリンジポンプには、痛みが強くなったときに患者が自分でボタンを押し、オピオイドを追加できる仕組みがある。 これをレスキューという。

痛みは強くなってからでは抑えにくいため、痛みが出はじめたときに本人が押すのが基本になる。 押すたびに入る量と、次に押せるまでのロックアウトタイムがあらかじめ決められていることをAさんに伝え、我慢せずに使ってよいと説明する。

残る3つは、注入を止めたり、決められた量を超えたりする内容で、痛みの管理を崩す。

オピオイドとは

医療用麻薬として使う強い痛み止めの総称。モルヒネやフェンタニルが代表で、がんの痛みに広く使われる。

  • 1

    シリンジの交換はAさんが実施する。不正解

    シリンジの交換は麻薬を扱う操作で、訪問看護師が行う。Aさんと家族には、残量が減ってきたときや機械が知らせたときに連絡するよう伝える。

  • 2

    疼痛がないときには持続的な注入をやめてもよい。不正解

    持続注入は、痛みが出ないように血液中の薬の濃度を保つためのものである。止めると濃度が下がって痛みが戻り、立て直すのに時間がかかる。

  • 3

    レスキューとしてのオピオイドの追加注入はAさんが行う。正解

    痛みが出はじめたら自分で押してよい。押した時刻と効き方を記録しておくと、持続の量を見直す手がかりになる。

  • 4

    レスキューとして用いるオピオイドの1回量に制限はない。不正解

    1回に入る量と、次に押せるまでの時間は設定されている。続けて押しても薬は入らない。量を変えるのは医師の指示による。

📚 国試でよく狙われるところ

がんの痛みの薬は、持続とレスキューの使い分けと、必ず備える副作用対策が問われる。「土台を持続で抑え、急に強くなる痛みはレスキューで足す」と対にして覚えよう。

  • 突出痛は、持続的に薬を使っていても急に強くなる痛みで、1日に数回起こる
  • レスキューを1日に何回も使うときは、持続の量が足りていない合図になる。医師に伝えて見直してもらう
  • オピオイドでは便秘がほとんどの人に起こるため、はじめから下剤を組み合わせる。眠気と吐き気は数日で慣れることが多い

参考: 日本緩和医療学会 がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン/系統看護学講座 在宅看護論

出典:「第104回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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