第104回 看護師国家試験 午後 問105 解説
📝 問題
次の文を読み103〜105の問いに答えよ。Aちゃん(10歳、女児)は、両親と3人で暮らしている。発熱と顔色不良とを主訴に受診し入院した。血液検査データは、Hb 7.5 g/dL、白血球75,000/μL、血小板4万/μLであった。骨髄検査の結果、急性リンパ性白血病と診断された。医師が両親とAちゃんに対し、病名と今後の抗癌薬治療および入院期間について説明した。両親はショックを受けていたが現実を受け止め、今後の治療や入院生活について質問し、経済的な不安を訴えた。 入院後4か月。Aちゃんは治療が順調に進み、退院して外来で維持療法を行うことになった。 今後、学校に通学する際のAちゃんと母親に対する説明で適切なのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 維持療法で通学するAちゃんには、給食はみんなと同じものを食べてよいと説明する。
維持療法は、寛解を保つために弱めの抗癌薬を長く続ける時期である。骨髄の働きはおおむね回復しており、学校生活を年齢どおりに送れる。
ここで大切なのは、必要のない制限をつくらないことである。給食もみんなと同じものを食べてよい。 1人だけ食事を分けると、友達との関係や学校へ戻る気持ちに影響する。
他の説明は制限が強すぎる。体育も全校集会も体調に合わせて参加でき、授業中の付き添いも要らない。日焼け止めを毎日欠かさず塗る必要もない。
維持療法とは
寛解になったあと、再発を防ぐために弱めの抗癌薬を長く続ける治療。外来に通いながら行う。
- 1
「体育は見学してください」不正解
体育を一律に見学させる必要はない。維持療法の時期は体力に合わせて参加でき、疲れやすさや出血しやすさに応じて内容を相談する。
- 2
「授業中はお母さんが付き添いましょう」不正解
授業中の付き添いは、通学できる状態のAちゃんには必要ない。年齢相応の学校生活を送れることが、治療を続ける支えになる。
- 3
「給食はみんなと同じものを食べてよいです」正解
維持療法の時期に特別な食事制限は要らない。給食をみんなと同じように食べられることは、学校へ戻るうえで大きな意味をもつ。
- 4
「日焼け止めクリームを塗って登校してください」不正解
日焼け止めは、薬の影響で日光に過敏になる人に勧めるもの。全員が毎日欠かさず塗る必要はない。
- 5
「体育館での全校集会は参加しない方がよいです」不正解
全校集会を一律に避ける必要はない。人混みを控えるのは感染症が流行している時期や、白血球が大きく減っているときに限られる。
📚 ここも一緒におさえておこう
小児がんの子どもが学校へ戻る場面では、制限を並べるのではなく、どこまでできるかを学校と決めるところが問われる。
- 学校と共有すること=治療の予定、感染に気をつける時期、けがや出血への対応、体育や行事への参加のしかた。
- 感染への注意は好中球が減っている時期に強める。水痘や麻疹が流行したらすぐ主治医に連絡する。
- 長期の欠席には院内学級や訪問教育などの仕組みが使える。復学は少しずつ進める。
参考: 小児看護学 小児がん患児の復学支援
出典:「第104回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について