第104回 看護師国家試験 午後 問103 解説
📝 問題
次の文を読み103〜105の問いに答えよ。Aちゃん(10歳、女児)は、両親と3人で暮らしている。発熱と顔色不良とを主訴に受診し入院した。血液検査データは、Hb 7.5 g/dL、白血球75,000/μL、血小板4万/μLであった。骨髄検査の結果、急性リンパ性白血病と診断された。医師が両親とAちゃんに対し、病名と今後の抗癌薬治療および入院期間について説明した。両親はショックを受けていたが現実を受け止め、今後の治療や入院生活について質問し、経済的な不安を訴えた。 両親に情報提供する社会資源として最も適切なのはどれか。
✅ 正解
5
💡 解説
✅ 経済的な不安には、小児慢性特定疾病の医療費助成を情報提供するのが最も適切である。
Aちゃんは10歳で急性リンパ性白血病と診断され、長い入院と抗癌薬治療が始まる。両親が訴えているのは治療費の心配である。
小児がんは小児慢性特定疾病にあたり、児童福祉法にもとづく医療費助成が受けられる。自己負担が軽くなるので、長く続く治療を支える制度としていちばんよく合う。 この助成は2015年1月に児童福祉法の制度として位置づけられ、対象となる病気はその後も広がっている。
他の選択肢は対象が違う。養育医療は未熟児、自立支援医療は精神科への通院や身体障害を軽くする手術に対するもので、児童扶養手当はひとり親の家庭に支給される。高額療養費制度も使えるが、負担はこの助成のほうが軽くなる。
小児慢性特定疾病とは
子どもの病気のうち、長く治療が必要で費用の負担が重いものとして国が指定したもの。医療費の助成を受けられる。
- 1
養育医療不正解
養育医療は、母子保健法にもとづいて入院が必要な未熟児の医療費を助成する制度。10歳のAちゃんは対象にならない。
- 2
自立支援医療不正解
自立支援医療は、精神科への通院や、身体の障害を軽くする手術(更生医療・育成医療)の費用を軽くする制度。白血病の治療は対象外である。
- 3
児童扶養手当不正解
児童扶養手当は、ひとり親の家庭などの生活を支える手当。Aちゃんは両親と3人で暮らしており対象にならない。
- 4
高額療養費制度不正解
高額療養費制度は、1か月の自己負担が上限を超えた分を払い戻す仕組み。Aちゃんも使えるが、小児慢性特定疾病の助成のほうが負担は軽くなる。
- 5
小児慢性特定疾病の医療費助成正解
小児がんは国が指定する小児慢性特定疾病に含まれ、医療費の助成を受けられる。長く続く治療費の負担を軽くできる。
📚 国試でよく狙われるところ
小児慢性特定疾病の医療費助成は、対象年齢と自己負担がそのまま問われる。18歳が区切りだが例外がある、という形で覚えよう。
- 対象は悪性新生物・慢性腎疾患・慢性心疾患・糖尿病など、国が指定した長期の治療が必要な病気。指定される病気は少しずつ増えている。
- 対象年齢は18歳未満。18歳の時点で助成を受けていて治療が続く場合は、20歳になるまで延長できる。
- 自己負担は2割で、世帯の所得に応じて1か月の上限額が決まる。申請の窓口は都道府県・指定都市・中核市・児童相談所設置市である。
参考: 児童福祉法/小児慢性特定疾病対策(厚生労働省)
出典:「第104回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について