第104回 看護師国家試験 午前 問70 解説
📝 問題
Aさん(59歳、男性)は、妻と2人で暮らしている。Parkinson〈パーキンソン〉病で、Hoehn-Yahr〈ホーエン・ヤール〉の重症度分類ステージⅢであり、嚥下に困難がある。要介護2の認定を受けている。食事の見守りを行う妻への訪問看護師による指導で適切なのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 食べ物を飲み込んだことを確認してから次の一口を勧めるよう指導する。
AさんはHoehn-Yahr〈ホーエン・ヤール〉の重症度分類ステージⅢで、Parkinson〈パーキンソン〉病では舌や咽頭の動きも遅くなるため、飲み込みに時間がかかる。
飲み込む前に次の一口が入ると、口の中や喉に食べ物がたまって誤嚥を起こし、誤嚥性肺炎につながる。 見守る妻には、一口ごとに飲み込んだことを確かめてから次を勧めるよう伝える。
他の選択肢は、この病気の食事場面では誤嚥を防ぐ助けにならない。
Hoehn-Yahr〈ホーエン・ヤール〉の重症度分類とは
Parkinson〈パーキンソン〉病の進み具合をⅠからⅤの5段階で表す分類。ステージⅢは転びやすくなり、日常生活に介助が要りはじめる段階。
- 1
「食事はきざみ食にしましょう」不正解
きざみ食は口の中でばらけてまとまりにくく、かえって誤嚥しやすい。とろみをつけたりゼリー状にまとめた形にする。
- 2
「食事は決まった時間にしましょう」不正解
Parkinson〈パーキンソン〉病では、薬が効いて体が動きやすい時間帯に合わせて食事をとるほうがよい。時刻を固定すると、動きにくい時間と食事が重なる。
- 3
「食事中はテレビをつけておきましょう」不正解
テレビは注意をそらし、食事に集中できなくする。音を消して、飲み込みに気持ちを向けられる環境をつくる。
- 4
「食べ物を飲み込んだことを確認しましょう」正解
口の中が空になったことを確かめてから次の一口を勧めると、食べ物がたまったまま飲み込んで誤嚥することを防げる。
📚 国試でよく狙われるところ
嚥下障害のある人の食事は、食べる形と姿勢・環境がまとめて問われる。「口の中でまとまるか」「喉へ落ちる速さはどうか」で食形態を見分けよう。
- 誤嚥しやすいのは、水分のようにさらさらしたもの、きざみ食のようにばらけるもの、餅のようにはりつくもの
- 食べやすいのは、とろみをつけたものやゼリー・プリンのようにまとまりのあるもの
- 姿勢は椅子に深く座り、やや前かがみであごを引く。ベッド上では上体を30度以上起こす
- 食後は口の中をきれいにし、30分ほど座った姿勢を保って逆流を防ぐ
参考: 医療情報科学研究所編『病気がみえる 脳・神経』
出典:「第104回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について