第104回 看護師国家試験 午前 問64 解説
📝 問題
高齢女性に生じやすい疾患と原因の組合せで正しいのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 子宮脱は骨盤底筋群の筋力低下によって起こる。
閉経後はエストロゲンが大きく減り、この変化が高齢女性に起こる不調の背景になる。 骨盤底の筋や靱帯は加齢と出産の影響で緩み、子宮を支えきれなくなると腟の中へ、さらに外へ下がってくる。これが子宮脱である。
他の選択肢は原因の側が入れ替わっている。腟の中は乳酸桿菌がつくる乳酸で酸性に保たれているが、閉経後はこの働きが落ちてアルカリ性に傾く。 外陰の萎縮を招くのもエストロゲンの減少で、子宮体癌に関わるのはエストロゲンが長く働き続けることである。
- 1
腟炎 ── 腟分泌物の酸性化不正解
逆。閉経後は腟内を酸性に保つ乳酸桿菌が減り、アルカリ性に傾いて自浄作用が落ちるために腟炎が起こる。
- 2
外陰炎 ── プロゲステロンの減少不正解
外陰の皮膚や粘膜を保っているのはエストロゲンで、その減少により薄く乾いた状態になり炎症を起こしやすくなる。
- 3
子宮脱 ── 骨盤底筋群の筋力低下正解
骨盤底筋群がゆるんで子宮を支えられなくなり、子宮が腟の中や外へ下がってくる。
- 4
子宮体癌 ── プロラクチンの増加不正解
子宮体癌が増える背景は、エストロゲンの刺激が長く続くことにある。プロラクチンは乳汁の分泌に関わるホルモンになる。
📚 国試でよく狙われるところ
更年期以降の変化は、症状を1つずつ覚えると取りこぼす。エストロゲンが減ると体に何が起きるかという筋道でたどろう。
- 骨密度が下がり骨粗鬆症と骨折が増える
- 血中脂質が増え動脈硬化が進みやすくなる
- 腟や外陰が薄く乾き萎縮性腟炎や性交痛が起こる
- 血管の調節が乱れホットフラッシュ(のぼせ・発汗)が起こる
参考: 医療情報科学研究所編『病気がみえる 婦人科・乳腺外科』
出典:「第104回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について