第104回 看護師国家試験 午前 問62 解説
📝 問題
出生前診断について正しいのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 胎児の異常を理由とする人工妊娠中絶は、母体保護法に定めがなく認められない。
出生前診断は、生まれる前に胎児の状態を調べる検査の総称である。超音波検査、母体血清マーカー検査、母体血を用いた新型出生前検査(NIPT〈エヌアイピーティー〉)、羊水検査などが含まれる。
人工妊娠中絶を行える条件は母体保護法が定めており、身体的または経済的な理由で母体の健康を著しく害するおそれがある場合と、暴行などによる妊娠の場合の2つだけである。胎児の異常は条件に入っていない。 行える時期も妊娠22週未満に限られる。
検査を受けるかどうかも、結果をどう受け止めるかも決めるのは夫婦本人である。看護職は遺伝カウンセリングにつないで意思決定を支える。
他の選択肢は、検査や説明の範囲を実際より狭く見ている。
遺伝カウンセリングとは
検査でわかることや結果の意味を専門の医師・認定遺伝カウンセラーが伝え、本人と家族が自分たちで決められるように支える相談。
- 1
遺伝相談は勧めない。不正解
遺伝相談(遺伝カウンセリング)は、検査の前にも結果を受け取った後にも受けられるよう積極的に勧めるものである。
- 2
胎児異常を理由に人工妊娠中絶はできない。正解
母体保護法に胎児の状態を理由とする条項はなく、胎児の異常だけを理由に中絶を行うことは認められていない。
- 3
治療不可能な疾患に関する診断結果は伝えない。不正解
結果は治療できるかどうかにかかわらず本人へ伝える。出産や療養の準備、気持ちの整理のために必要な情報である。
- 4
胎児の超音波検査は出生前診断の方法に含まれない。不正解
超音波検査は最も広く行われている出生前診断の方法で、形の異常や発育の様子を調べる。
📚 国試でよく狙われるところ
出生前診断は、検査の名前と「その検査で何が確定するのか」を入れ替えて問われる。確定できる検査とできない検査を分けて覚えよう。
- 超音波検査=形の異常や発育を調べる。妊婦健康診査で広く行われる
- 母体血清マーカー検査・新型出生前検査=染色体疾患の可能性を確率で示す非確定的検査
- 絨毛検査・羊水検査=染色体を直接調べる確定的検査。流産の危険がわずかにある
- 新型出生前検査は、2022年に定められた指針にもとづく認証施設で行い、遺伝カウンセリングを受けられる体制が条件になっている
参考: 母体保護法/厚生労働省「NIPT等の出生前検査に関する情報提供及び施設(医療機関・検査分析機関)認証の指針」
出典:「第104回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について