第104回 看護師国家試験 午前 問59 解説
📝 問題
インフルエンザが流行しているが、小規模多機能型居宅介護を行う事業所では罹患者はいない。この事業所で看護師が行う罹患予防の対策で最も適切なのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 罹患者が出ていない段階では、利用者に手洗いを勧めることが最も適切である。
この事業所ではまだ罹患者が出ていない。この段階で行うのは、日ごろの感染対策を確実にすることであって、サービスを止めたり薬を使ったりすることではない。
手洗いは、手に付いたウイルスを物理的に取り除く方法である。費用も負担も少なく、利用者も職員もその日から始められる。小規模多機能型居宅介護では通い・訪問・宿泊で同じ人が行き来するため、一人ひとりの手洗いがそのまま事業所全体の予防になる。
他の選択肢は行きすぎか、向きが逆である。罹患者がいないのに宿泊を断る理由はない。湿度を下げるとウイルスが漂いやすくなり、のどの粘膜の防御も落ちる。抗インフルエンザ薬の予防投与は、医師が対象を絞って判断するものである。
小規模多機能型居宅介護とは
通いを中心に、訪問と宿泊を同じ事業所で組み合わせて使える介護保険のサービス。なじみの職員が続けて関わる。
- 1
宿泊の利用を断る。不正解
罹患者が出ていない段階で宿泊の利用を断ると、利用者の生活と家族の介護がすぐに立ちゆかなくなる。まず日ごろの対策を徹底する。
- 2
湿度を10%以下に保つ。不正解
逆。空気が乾くとウイルスが長く漂い、のどの粘膜の防御も落ちる。室内は適度に加湿する。
- 3
利用者に手洗いを勧める。正解
石けんと流水で、指の間・親指・手首まで届かせて洗う。流行期に誰もが毎日続けられる、最も基本の対策である。
- 4
利用者に予防的に抗インフルエンザ薬を与薬する。不正解
抗インフルエンザ薬の予防投与は、感染した人と接触した重症化しやすい人などに、医師が判断して行うものである。流行しているというだけで全員に使うものではない。
📚 国試でよく狙われるところ
インフルエンザ対策は「流行期にまず何をするか」で問われる。手洗い・咳エチケット・加湿・予防接種という、誰にでもできる順に並べて覚えよう。
- 室内は乾燥させず、湿度50〜60%を目安に保つ。
- せきやくしゃみのある人はマスクを着け、職員は症状があれば勤務を控える。
- 予防接種は流行が始まる前に受けておく。高齢者では重症化と死亡を減らす効果が期待できる。
参考: 厚生労働省「インフルエンザQ&A」
出典:「第104回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について